かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

定点観察

きっとここは わたしのなにかに とてもたいせつな なにかに触れる場所だ と 思う 若いときは いつもそれをさがしていた とても探すように 動いていたとおもう いつのまにか 同じ場所に住み続け 家庭という心地よさを 味わい 庭を耕す整える日々 整えられてい…

大切

もし わたしから 言葉や文字や いろいろな記録のものが きえてしまったとしても 魂の記録まで 消すことはできない わすれようとされても けされようとされても もしかすると なまえまで わからなくなっても 刻んだ大切な記憶 大きく刻む 大きく切るように 刻…

小満

小さく満ちる なのか それとも 小さな満たし なのか ただその日の 言葉に いま在るところを思う サルトルのいうところの実存主義 ここに在るとすれば ここに在るのだ わたしがそう信じれば みあげれば 湖は私であり あけゆく空は私であった 「すべては 内側…

無題

芽が 芽であり 葉が 葉である 花が 花であり 蕾、開きいづれまた散る そのさまに そのものとして 寄り添っているひとだと ふと言われた 自分が種であるときに 花ということが わたしにはできないし 花であるときには 花でいる そのひとはなぜそんなことを 伝…

傘さして

晴れた日には すぐにはこまらぬが 雨の日には ずぶ濡れになる いつのまにか 晴れた日に日傘はもてど 雨の日に傘を持ち歩かなくなった ずぶ濡れになっているのに 傘を刺しなさいよ、と 心がずぶ濡れになったとき いわれた おひさまが出ている時の 傘と あまぐ…

日々是好日

熱を出して 当たり前の日々のことが 全くできない 簡単にできていたことが すすとできなくて 日々はその積み重ねで 重ねてかさねて いくのだと 伏せる日も 鬱陶しさは あるけれど感謝で きっとまた作ろうとする 日々のごはんや 洗濯、掃除も させてもらえる…

うまれたひに

みずからを みずからの場所で 咲かせている花のようなひとが おめでとうと その置かれている場で 言葉なき言葉で 花を咲かせている その声は 遅れて けれどちょうど よいときに 朝の風の流れに 乗ってたどりついた 言葉はなくていい 言葉がほしいと 思ってい…

内なる詩人 

わたしの中に詩人がいる 内なる詩人がいる 詩人は私が話す時に沈黙し 黙すると静かに語り始める 詩人はあまり言葉を信用していない 呻きや嘆きだかが 表し得るものがあることを知っている だから詩人はずっと泣いていることもある 詩人はあまり言葉を信用し…

信頼について 引用

信頼とはいきることの基盤をなしている 自己への信頼も他者との信頼の間に育まれる。心を開いてくれる他者と出会えたとき人は他者との間だけではなく 自己との新しい関係をも結ぶことができるのはそのためだ 心を開くとは 他者を迎合することではない そうし…

田傍の草

田植え前の水の満たされる姿が好きだ 草をそして草花をよむことが好きだった人が 旅立たれたのは この季節 どのような草かもわからずに その音となまえだけをたよりに いつのまにかその草の名とともに ことばをわたしもよむことになった なまえというのは不…