かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

ヤンファの花に寄せて

 

 


ほんとうのなまえは

かくしておくものだ

とらわれないようにと

 

 

 

あなたのなまえは

わたしのなまえは

 


とはなびらが

かさなるように

かりそめの

なまえが

芯の(真の)

わたしをかくしていく

 


わたしがなにものなんて

あなたには

 


わたしでさえ

わからないのに

 


うまれたときに

名づけられたまっしろな

花のような名は

はかなくも

激しく

染められていく

 


それをしるのは

だれなのか

それをしるのは

わたしの歩いた

路傍の花のみ