かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

命を装う

 

冬に口紅をかいました

 

多くの朱から店員さんに選んでもらう

ルージュ(イタリア語で確か赤)

よくかんがえてみると

このように赤い色の口紅を

手に入れるのは初めてかもしれない

慣れない感じで口紅をつけると

紅をさしている、と二人からいわれました

紅をさす

というとどうしても貝に入ってる

化粧紅を想像してしまう

 

 

どちらかというと

私の生活にそぐわない

要らないもの

優先順位の低いもの

 

化粧は私にとって防御なの、と

若い時に友人が言っていた

今のわたしにとっては

プロテクトの要素もあるかもしれないが

装うということについて今一度考えている

メイクというものは苦手でほとんどしないけれど装うということ、自分を尊ぶということに興味がある

 

 

まだあらがってはいるけれど

すべて白髪になったら

きっと赤い口紅がにあう

にあってくる

敬愛する

料理家の辰巳先生をみて

思っていたのです。

 

自分の命を装う

 

そのようなことを先生が

なにかの記事でかかれていて

 

華美ではないが

上品に、そしてちゃんとされている

 

先生が食のことを仕事として

されているのには

そして自分のいのちについて

装う大切さを

ことあるごとに仰ってるのには

強い関連がある。

すぐに食も装いも

私はなおざりになる

口紅に関していえば

一番億劫になる

 

それにしても

命の色はたとえるならば

血液の色なのか

赤を連想するのはわたしだけかしら

 

今日はひさびさに

紅を、さそうと思う

 

2023.6.8