自分の中に沈んでいる、幼いころ呼ばれたなまえを呼んでみる
はなびらが一枚、一枚と散るように
散らぬともその隙間から見え隠れする
おさないころのなまえ
呼ばれるとこそばいような
いたいような、けれど懐かしいその名前をそっと自分で呼ぶとき
最初のころのわたしを思い出す。
肩書きや纏ってしまったよいものも悪いものもなにもなく
素の、ただのわたし。
たまたま昨日、幼い少年の4歳の誕生日を祝っていたが、そのまだ片手で数えるその少年の年月は、とてもシンプルにその「素」へたどり着くことができる
まだはなびらが数枚のその幼き子も、
わたしのような数十枚に至るものですら、そのすきますきまの、空間からそっとたまに呼んでみる。
その素のわたしへ
なにかにかき消されそうな雑音の中も、花びらがひきちぎられそうな嵐の中でも、
そうやってたまに呼んでみる
変わらない大切なものが思い起こされるだろう
#くどうなおこのはらうた#stillroom