圧倒的な愛を感じた
あっという間の9月
わたしにとって秋分は
その日ではなく
なんとなく
9月と10月の間
湖辺に行くときめていた10月最初の朝
あの圧倒的な夜明けはそこにはなく
けれどはかなくも穏やかに穏やかに
ゆるやかな光のグラデーションを
みたのでした
秋はセンセーショナルに
大風とともにやってきて
やってきてはもどりをくりかえし
こうやっておだやかに
そこに居る
かえってから
珈琲を淹れました
まだ聴いたことない父のレコードを
聴きました
さきはじめの、ここ数年習慣になっている
秋明菊を供える
父の命日という日
天に召される人もいれば
その日
うまれた人もいる
うまれる人もいれば
その日
天に召されようとしている人もいる
死神はけして
大切な人を、何かを取り去る者ではなく
分つ者なのだと
夕があり朝が来る
夕があり朝が来る
「あわい」
「連綿と続く」
そのグラデーションに
わたしは居る