かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

微かな記憶さがす

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父親がなくなったときないたかどうか

おぼえてない

 

 

 

いっときその存在を否定して、いなくなればいいのに!という反抗期みたいなきもちにも

 

そこまで感情が浮き上がってくるのに

時間がかかった

 

いやいわゆる反抗期みたいな時期は信じられないくらいいい子で

父親は敬うもの

敬うことができないとしても

敬うもの、とそう感じて育った

それは社会的なスタンダードなのかも

しれないし宗教的なものかもしれないが

 

思い込みの重い蓋はなかなか私の奥の感情を

みつけることはできないーー

 

満ちているのに開かない蓋が水圧で割れてしまった

そんな感じだったと思う

 

いやだった、とか不快だった、

という感情は

好きだった、嬉しかった

 

という感情と同じくらい

「私」と親しくいないと

 

重い重い蓋ができてしまって

自分が何も感じているのかわからなくなる

 

 

気がついてしまって

現実的にその場から立ち去っても

幻影が何年も何年もつきまとう

 

たまに圧力のある人があらわれて

ずんと、おもしを感じてしまう時がある

それは相手の問題の時もあるけれど

 

そこでその人と接触した時の私の課題だ

なんとかしてその人と「おどろう」と

してしまう

 

こどもはにげることはできない

ほかをしらないまま

おどるしかできない

 

ふとほかを知った時の絶望たるや

 

どうしてわたしは/うちは、こうなんだろう

 

 

でも

そのネガティブな記憶に押しつぶされて

ないことにされてる

微かな光のような父との記憶もある

 

わたしはそれをさがしてる

ずっとさがしてる気がする

 

たぶん

今年も珈琲を淹れて

父のレコードをかける

 

父とはきいたことも

一緒に

のんだこともないが

 

私の知らない父は

たぶんどちらかというと

私の好きな人だと思う