かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

無意識と意識を土が覆っている

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刺繍

私もしなくはないのだが

不器用極まりなく

裏側の始末をせずにほっておいて

いつか

それをだれかに指摘されたとき

気にしないようで

どこか深いところのつぼを

押されて身体から水がでた

 

傷ついたのとは違うのだけれど

一般的には傷ついたのだと思う

(感覚の言葉は難しい)

 

刺繍家として活躍している友だちは

無意識を躊躇なく意識の海にさそいだす

人だと思う。

布という無意識と意識の水面を

潜ってはあがり

潜ってはあがりが

海女(あま)さんのように

自由だ

 

作品は素敵だけれどときに

まだ私がみたくない無意識が

登場していることが多多ある

でもそれはそれでほんとうに

リアルというか生きている世界観なのだ

アールブリュット的というか。

 

無意識を意識の水面にあらわそうとしている

 

 

わたしは意識する面に必死で

無意識の整えを怠ってたのか

と先に指摘された裏のもつれを

あとで整えた

 

けれどそれもどうなのかと

内側の心のぐちゃぐちゃに

土をかぶせるような日々に問うた

 

たぶんそんなこともありつつ

一度や二度のその感覚で立ち止まることもなく

意図をも操る海女は日々潜っては

意図をつれてくるのだろう

 

それはもつれをも美しくする

いやもつれも美しいとする

 

彼女がその、海なら

わたしは土なのかもしれない

 

土に刻む日々の綴りはもうすでに

決まっていて

土を、井戸をほるかのように

水脈を探すかのように

刻んではほり

まさかのたまに土を被せる

そうやって無意識はわたしの中で

ほりあてられたり

またかくされてりする

 

けれどそれは大きなところでは

きっときまっていて

ただただ

動かされているだけなのだ