かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

 

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月心寺という 大津と京都の境に

お寺があり、そこの庵主さんが

つくる胡麻豆腐というのに憧れていた

私はついぞいくことはなく

その庵主さんはなくなられて

しばらくたつ

 

 

先日胡麻豆腐をつくるという方に会って

月心寺の話にもなった

 

 

 

 

途方もなく

手間をかけて

胡麻を煎って

すりこぎですって

ねりごまにし

葛をいれて

あせらず

火にかけながら

かたまるまでねりつづける

 

 

 

 

 

言葉でいうはやすし

そこにあるちいさな宇宙は

夜があけるや明けないくらいから

円を描き続けているのを想像した

 

 

 

 

 

 

いまやブレンダーやフードプロセッサー

を駆使してポタージュやなんかを

簡単に作ることができるが

一方で便利であるということが

味ももちろん違うが

他方である意味暴力的であるというか

気をこめるという作業をすっ飛ばしている

ような気がしてならない

そういいながら毎日のように

使うミキサーの音に

遊びにきて眠っていた赤ちゃんが

びっくりして泣いた

 

一方、すりこぎの音のくり返しは

平穏を促す

すり鉢でなにかをする作業は

園でもこどもたちがやりたがる

 

心穏やかに

 

お茶を淹れる時も

米をとぐときも

珈琲をいれるときも

 

便利にかこつけて

気をこめるのを

とばしてしまうことが

よくあるが

 

いつもできることではないとしても

瞑想のような呼吸の在り方とともに

所作を意識したい

 

気のこもったものをいただくのはうれしい

同じようにたとえできなくても

百のうち一でも気をこめてみようと

今朝思った