土に綴る暦
2020
世界が静けさにつつまれたとき
ひとりひとりがこもるくらしの中で
いつもなら
すぎていく印象を交信のように
絵や言葉にのこしてみよう、となりました
はにほへと
ヘーンの木曜に
交互にkey wordとなる
インスピレーションの言葉を
だしあっては
木曜に絵を、言葉を
ただただお互いかきだした春
世界がどうなっていくのだろう、という緊張のなか
おだやかに空気の澄んだ春の山々
いつもより意識して歩む心とからだ
まるで記憶を標本するかのように
スケッチするかのように
それぞれが、言葉に、絵に、していきました
抽象的な
インスピレーションのままに
あたえられたkey wordという
共通点だけで
打合せなしに
毎週だしあった
絵と言葉でありながら
感情や空気感がピタリとあうものや
いまみてもこのときはこうだった
と印象づける作品もあります
ひとにあうことのない、
人生において
ある意味、
不謹慎ながらも
貴重な贈り物のような
春の時間はいっときで
不安や緊張と多忙の中で
推敲を重ねずに作品を
あげていくことも
多くあり
天体も大きく
揺れ動く中
抽象的すぎて
何を考えていたか
記憶が薄いものも
実はあります
けれどそこにはたしかに
「私はここに生きている」
という刻みがあり
それは奇しくも2人が
旅した彼の地でみた
いにしえの、
名もない人たちの
えがいた壁画、
土の暦のようではないか
と感じました
毎週のように
ひとりひとりがとらえた
key wordは
時流にのったkey word、
まさしくkey、鍵であり
同じkey wordから
醸しだす印象は
鍵穴を通して
絵を描くひとと
言葉を描く人の風を
通しました
そして
みる「あなた」の鍵穴と
わたしたちの鍵穴が
どこかでなにかしら一致するとき
気づきや
風の通り道
もしくは
渡舟のような
往来
ちいさくも
いきる
悦びが
微かにけれどちからづよく
あることを祈ります。
DMより