かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

茶会




どうして私がお茶に惹かれるのか。
心開く瞬間が本質的なものに出会うとある、と思います。





今朝また茶の花が咲いているのをみて思い出した話。


息子は旅の途中で私の古い友人の家にしばらく滞在させてもらっていた。

友人の家は福岡の糸島というところの素晴らしいお寺で、私も彼女の結婚式以来だからちょうど10年前にもいった場所。


お母さまがチェリブイリ事故のあと、小冊子をかいたり、(「まだ間に合うなら」地湧社)
自然農の川口さんの農合宿が何年か前まであったり、今でもさまざまなユニークな人たちがお寺とのかかわりの中で移住される方も多い。


震災の時にもおもいだした話だけれど、彼女の何年か前の話を思い出す。

自然豊かなその土地になにかの工場誘致の話が
あったそうで、反対運動もあったそうだ。

でもお寺はただただ開放してお茶会をし続けたんだそう。



そうすると工場側の方たちも来だして、、。何度か寺の素晴らしい庭園を前に茶会をするうちに

工場をここに作るのはやめます。と社長さんは言ったのだそう。

反対運動で表現しないといけない場合もあるだろうしそんな美しい話で済まないだろうという頭も片隅にあるけれど




私がお茶に興味があるのはお茶自身のすばらしさやしつらいだけじゃなくて、こういうお茶をすることによって生ずる人のこころを溶かすなにかなのかもしれない。


もちろんなかなか一筋縄でいかないこともあるけれど、それでもやはりそんな一筋のきもちでやっていこうと思う心を持ち続けたい。


彼が旅でよかったことは誰かに何かをシェアしてもらったことという。食べ物であったりよい場所の情報、景色であったり。


わけあう、ことを日常でも自然にできていけますように。