かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

つつまれるつつまれる

 

f:id:sallygarden:20191121195841j:image

 

めをつむると

どこまでがわたしでどこまでが

あなたなのかわからなくなる

 

日が立つ

とかく

音の君よ

 

門の中にある音よ

 

はじめて大きな声で

世界に来たよと叫んだとき

わたしはあなたと一緒になった

 

音をかなでたわたしは

音をつつんだ

花びらがひらひらと幾重もに重なり合うように

わたしと音はつつみあう

であいつづける。

 

 

はじめてと思った音に

しってる!とわたしの中の誰かがいう

おもいだした!と懐かしい手紙が

ポストを投函するようにはっきりと

わたしの中で聴こえた

 

ありがとうありがとう

 

井戸の奥底にあった泉も信じられないような

勢いで吹き出す

ありがとう

地下鉱脈で繋がる

石たちもコツコツ!と

ひびきあおうとする

あなたと響きたい

光を放って

また外に出たい

 

闇のなかには音がある

そうだ音とは鉱石のことだったのだ

 

いままだわたしは

記憶の音の中で

たしかにきこえた

音の余韻を感じている

 

音のない音が

いまもまだわたしをつつんでいてくれる

 

#awaumi