めをつむると
どこまでがわたしでどこまでが
あなたなのかわからなくなる
日が立つ
とかく
音の君よ
門の中にある音よ
はじめて大きな声で
世界に来たよと叫んだとき
わたしはあなたと一緒になった
音をかなでたわたしは
音をつつんだ
花びらがひらひらと幾重もに重なり合うように
わたしと音はつつみあう
であいつづける。
はじめてと思った音に
しってる!とわたしの中の誰かがいう
おもいだした!と懐かしい手紙が
ポストを投函するようにはっきりと
わたしの中で聴こえた
ありがとうありがとう
井戸の奥底にあった泉も信じられないような
勢いで吹き出す
ありがとう
地下鉱脈で繋がる
石たちもコツコツ!と
ひびきあおうとする
あなたと響きたい
光を放って
また外に出たい
闇のなかには音がある
そうだ音とは鉱石のことだったのだ
いままだわたしは
記憶の音の中で
たしかにきこえた
音の余韻を感じている
音のない音が
いまもまだわたしをつつんでいてくれる
#awaumi