衣
ハルモニが死んで
友が美しい所作で
彼女を包んでいく
麻なのか大地の白さを
含んだ衣で包んでく
弔うというのは
祝うのと
とても
とても
似てる
わたしの、
15歳に
ありたかった
わたしの
辛い過去を
そこを封印して
笑いながら
けれど
心の奥底では
口を閉じて
その叫びが
変換して
笑いになってる
15の少女を侵略した
国は
着たかった
あの制服を
とりあげたのだ
白い花嫁の衣装のような
丁寧に丁寧につくられた
きっと
紡ぐところから織られたその布は
少女であるハルモニを
包んでまた大地にかえってく
丁寧に丁寧に時間をかけて
つくられた衣は
数日で私たちの前からみえなくなる
けれど
十五の少女が
ずっと
ずっと
かかえていた
ものが
その傍らで
その声をきいて
糸にし
布になり
衣になったのだ
10/21