かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

水 鏡 循環

 

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いつかのわたし

あのときのわたし

みるけしき

きくけしきに

とびこんでくる

 


苗を植える前の水田に

月がまあるくうつる

 


喜びの種を

かなしみのたねを

 


なにをまくかは

わたししだい

しらずしらずに

まいたたねは

こうやって

月とともに

わたしをうつしだす

鏡のようにうつる

水面をゆるやかにこわす

蛙の跳び

 


わたしのかなしみと

ともにはばたいてくれる

一羽の白鷺

一度まかれたたねも

草になり

種になり

またときはなたれることを

知っている

 


循環の前の

のびあがる前の

水のひろがりは

 


そのはてしない世界の存在を

きづかせてくれる

 

 


#満月#水田#♾#インフィニティ#八十八夜#鏡#水の国

 

 

 

 

はじまりが見える世界の神話

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はじまりが見える世界の神話

植朗子編著

阿部海太絵

 

数年前、帰省先の金沢にオヨヨ書林というあか抜けた古書店ができた。

帰省するときはたいていお盆か年末年始で どこも開いてないのだがここは開いていて

叔母たちの営んでいる

理容院のほんの数歩のところにあり、

金沢というといつもここにいく。

ある時たまたまされていた個展で

阿部さんのことを知る。

阿部さんの色彩の感覚と繊細さ。

しばらくして

挿絵にするというこの世界各地の

神話が紹介された本を手にする

 

私が慣れ親しんでいた「聖書」もある意味神話なのだということに気がつく。

 

感覚がとぎすまされてないとすぎさっていくような

風や土や日の光、雨、落雷そんなものが

直接的に濃縮されたものが「神話」なのではないかと感じた。

 

 

説明のし難い、そしてわかりにくい

そんなもやのかかったような世界をあらわした世界観。

 

語り継がれてきたものが私たちの、今の感覚に添えているのだろうか。

もやがかかってはいるものの

この100年に一度かの世界的なパンデミック状態の中でそれぞれがそれぞれに敏感になる中で絶好の機会なのではと、

その感覚に近づきたく親しくなりたいといまは思っている

 

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世界の神話とあるが

その中には

琉球神話

日本古代神話

日本中世神話

アイヌ神話

も含まれていて興味深い。

 

 

 

 

百水

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フンデルトワッサー展がずいぶん前にあった

そのときの図録

幼い息子とたまたまいくと

日本の多色刷り版画の絵は

写真でみるそれよりも

びっくりするほどにエネルギーに溢れていて

図録を買って帰るとその絵の中に入ってしまってる息子がいた。

ずんずん、ずんずんといっては絵の中に入っていた。

 

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「美術館へ向かうあなたのあしどりが描く線はその美術館の壁画の線よりとはるかに貴重でまたうつくしい。」

フンデルトワッサー

 

 

 

まさにそんな感じでずいぶんとずいぶんとおさなごの日々の遊びがフンデルトワッサーであったことをおもいだす。

 

そして彼は大きくなって意図せずに

ニュージーランドの旅先でフンデルトワッサーの建築物とであうことになるのである。

 

不思議といえば不思議だが

当然といえば当然である

 

 

 

 

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百水とは、木版画の時のフンデルトワッサーの屋号(フンデルト=百、ワッサー=水)である

#ブックカバーチャレンジ

#stillroom#hundertwasser

 

 

 

 

 

 

動いてる庭

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ジル.クレマン

山内朋樹訳

みすず書房

 

この詩的なタイトルだけで読んだ気になる

ドキュメンタリー映画はほんとうにうつくしかった

「この惑星は庭とみなすことができる」

「生はノスタルジーを寄せつけない

そこには到来すべき過去などない」

クレマンの何年もかけてつくっている自宅、庭。。。ため息。

映画は本とあわせてぜひ。

 

 

 

 

 

 

 

光の粒

 

 

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みえないほどの光の一粒を

ちいさなちいさな箱にいれる

いつかだれかがほどくのを

 


どの色の包みにしようか

どんなリボンにしようか

箱には他になにをいれようか

 


その「世界」が開かれるのを

たのしみに

まとう

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まとうまとうと

冬の大地の芽吹きを

待ちながら

いのちが

いのちをたたえるために

纏う衣を用意したとき

冬に積み重ねた

気持ちが 

纏う衣となって

 

みるわたしのこころにも

見えない纏衣まとい

でつつまれる

 

みるものすべてが

たたえる纏衣

 

#清明