あらざらむ
この世のほかのおもひでに
いまひとたびの逢ふこともがな
言葉の奥にひそむ熱さは
真夏の
何年にもわたって地中に潜んで
うまれ翡翠から日に日に
色濃くそしてなきさけぶ
蝉のごとく
表にでるときには
もうすでに天にいくときなのかも
しれない
うまれるはしぬことで
しぬことはもしかすると
また一粒の麦がごとくまた生かされること
しぬとなったとき
わたしは誰にあいたいだろう
茶の芽をつみながら
のびゆくはずだったその芽を
嬉々としてつみながら