かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

nocturnes


nocturnes

 

 

 

夜を想う/夜が明ける

 

 

 

朝の粒が
夜の緞帳に
少しずつ
音のように点を落とす
ひらかれるというより
透けていく
階調という名のそれは
波うつ糸の泉を催し、営み
静かに蠢めくものたちに
光と音を与える

それはわからぬほど
無数の光の連続に

それはかさなりゆく
鳥たちのはばたきと
葉のかさなる木々の

夜があけると
ようやく
そこに
闇という名の音が
あったことに気がつくのだ

あなたは
その音なき音を
音に成す

形などなくていい

光は在ると
つぎのよあけまで
憶えていればいい

あなたはその栞/しるし を

奏でればいい

2024.2.3

節分そして春が湧かれていく