舟
ただ
舟にのりこんでしまった
舟は凪ではうかんでるだけ
風がおきるとうごく
風が強いとゆれる
わたしはどこにいくの
櫂をもてと友はいう
その舟の船着場は
あのひとの寄る辺
あのひとは
よあけとともに漕ぎだそうと
している
まだ暗いうちに
まだ暗いうちに
光がうまれるときが
みたいと
湖辺で海がみたいとわたしはいう
いつまでもたどり着けない
いつまでもたどり着かない
気がつけば
ふねにのりこんですらいない
いや地球という舟には
ずっと座りこむように
のっているのだが