かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

とどけられた布

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届けられた一枚

木がその布をつかまえる

うごきのある風と

動かない木の対話

 


わたしからうまれた布を風がとどけてくれた

と木がとどまることのない風に口ずさむ

 


天から刺す縦糸のような無数の光

わたしの手が横へ横へと

光から光へと渡していく

 


言葉のない語り

土からきこえる叫び

 


だれかのかなしみや

だれかの怒りが

 


大地を通して浄化されていく

 


声が届かぬのなら

風は木を通して届けようとする

光は、そのさす方向で人に気づかせようとする

 


ああいま

いつのまにかとどいた一枚

 


わたしの前にある

 

光が刺す方向に

糸をを通そう

 


声なき声を光の刺す方へ

言葉で届かぬなら心に届くよう

 


虹のように光の色をつかまえる