かやつりぐさ

綴文字 紡グ詩

八つの話. 3

 

 

 

f:id:sallygarden:20170824210620j:image

'simples'

 

近所のカフェに置いてある本の作者に魅せられつつも年に一度行くか行かないかの信州方面、山以外大してどこも寄らないが、今回はめずらしく調べてみた。

 

アロマセラピーという言葉や流行りのような雰囲気はあまりすきではないけれど本質的に生活している人をみるとそういう表面的なことはどうでもよくなる。

 

調べてみると何回か通った登山口へいく道を一筋はさんだところにその方の店はあった。

こういうことはしばしばある。

ときがあるまで隠されている。

すべてときがあるのだ。

 

店先にはご自由にどうぞのブレンドされたハーブティをいただいた。グリーンサマーティ。

 

アロマセラピーは精神的にも効くというけれど。店内にいると不思議な多幸感がただよう。

 

山に行く前に少しわけてもらったハーブティの、キャンプでしみること、、、。

 

帰り下山して開店一番にまた再訪したのだった。

 

その店主、萩尾エリ子さんの本の中に、暮らしをたてるという言葉があった。

 

お金もなかったから立派な家はすぐには建てられなくてすこしずつすこしずつ

暮らしをたてていった、と。

 

 

だからこの感じがあるんだろう、ハーブの美味しい混ざり具合もすぐにできるものではない。

 

レストランをしていた時もあるという店の名前は薬草を売るだけの店になったという。シンプルにしようと、名づけたその名前simple にはあとで薬草という意味があったということが判明したという、そういうエピソードもたまらない。

 

 

人間がいくら人工的になにかしようとしても薬草のような自然と直結したものにはかなわない。

人もそうやって自然と直結してどんどんシンプルになっていくのだ