わたしのこころは湖水です
どうぞ漕いでおいでなさい
沢知恵さんが古い韓国の詞を日本語に訳して作曲したものだと知ったのは、うたいはじめてから一年以上たった頃だろうか。
メロディといい、湖水がでてくることばといいとてもしっくりくる。
湖のあるところに住んでいるのもあって音楽活動のなかで時折うたわせてもらっている。
韓国にはまだ行ったことないのだけれど、いつのまにかいつも韓国の古いものや文化的なものに惹かれる。苗字からいってもしかしたら遠い昔のルーツなのかもと思ったりもしている。
一年ほど前、
韓国骨董を扱うギャラリーで李朝家具に似合うような現代の作家さんの個展があり、そこで耳杯というものを知った。
取っ手のところが耳の形をしていてとても可愛い。
耳杯(じはい)について作家さんとはなしていると、近所にある韓国喫茶にもしかしてら資料があるかも、とのこと。
どちらにしろ寄ろうと思っていたので何冊か古い文献を開いてみる。
耳杯と陶器の菓子型の写真を載せた古い本を発見。章ごとの最初の項に菓子型がスタンプのやうに版画にしてあり、なにかしら詩がかいてある。
よんでみると、明らかに「こころ」の詩。
ほんとうにおどろいた。
歌詞はその詩を現代訳にしたものにちがいない。
この韓国喫茶には何年も通っているのに。
私はたまにこうやって確認のようなメッセージをいただく。
この歌を歌っていく導きをいただいたような気がした。
偶然の一致はもはや偶然ではなく必然。
かぼそい声に耳を傾けると必ずやこたえは在る。
耳杯は記念にひとつ分けてもらった。